ミニマリストに憧れる女が25万円の雛人形を購入した話 ~雛人形の値段の違いの理由って?質の良い雛人形を選びたかったら人形専門店がオススメ!~
わたくし、スッキリと物の少ない暮らしに憧れております。
そう、私はミニマリストになりたい。
将来娘はぴこに「ママは何になりたいのー?」と聞かれたら、「そうねえ、ママはミニマリストになりたいなっ(^^)」と答えてはぴこを困惑させてみたい。
それなのに立派な雛人形を購入してしまった私…。圧倒的存在感。洋風のリビングに突如として現れた日本の伝統、和の心。
なぜそうなったのか、つづりたいと思います…。
- 雛人形を購入した経緯
- どこで購入したの?
- そもそも雛人形の相場って?
- なんでそんなに値段が違うの?雛人形の値段の違いの理由
- そんなこんなで最高級雛人形を買ってしまった
- とはいえ質が高い雛人形=良い雛人形ではない
- しかし伝統的な雛人形はデカい
雛人形を購入した経緯
今年は娘はぴこの初節句。初節句は、母方の祖父母から雛人形を贈るのが習わしの地域が多いようです。我が家も、初孫が可愛くて仕方がないばあば(私の母ですね)から電話がかかってきました。
母「はぴこのお雛様、うちから贈ろうと思うんだけど。選ぶのは自分たちで見て選びたいでしょ?そっちで好きなの選んでいいから」
私「うん、ありがとう。最近はコンパクトなやつとか木製のやつとか、可愛いのいろいろあるよね」
そう、この時点ではコンパクトで収納に困らない、今風の雛人形を買ってもらうつもりだったのですが…。
母「えー!伝統的なやつがいいよ!はぴこが恥ずかしくないような、ちゃんとしたやつを選んでね!」
好きなの選んでいいってゆうたやないかい。
そもそも今どきの子にちゃんとした雛人形じゃないと引け目を感じてしまうとかそんな感覚ないと思う…むしろ今風のやつのほうが喜ぶのでは……とは思ったのですが。
孫に良いものを贈ってあげたいという祖父母心が嬉しく、また、「せっかく日本の伝統行事の雛人形を購入するなら伝統的なものがいいんじゃない?」という夫の意見もあり、THE☆日本の雛人形!的な雛人形を購入する決意をしたのでした。
どこで購入したの?
自宅近所の人形専門店です。
最初は量販店で購入するつもりだったのですが、「近くに専門店もあるみたいだから、いちおう見とく?」と、軽い気持ちで見に行ったところ、その道ウン十年のプロによる池上解説(違う)を聞くことになり、気が付いたら購入に至っていたという…。
そもそも雛人形の相場って?
親王飾り(お内裏様とお雛様2人だけのお飾りのこと)の場合、ざっと見たところこんな感じでした。
通販:3~5万円
百貨店:10万円台~100万円近いものまで
人形専門店:ピンキリ
なんでそんなに値段が違うの?雛人形の値段の違いの理由
人形専門店のプロの話がなかなか面白かったので、共有したいと思います。
(※あくまでも私が購入したお店の方の見解で、必ずしもこれが正解ではないかもしれません。お店の名前を出すこともしません。「こういう説もあるんだな」という感覚でお読みください。)
百貨店の雛人形がズバ抜けて高い理由
それは高いほうが売れるからです。
え?何言ってるの??と思うでしょ。それがねえ、世の中には高いものを買いたい人もいるんですよ…。
百貨店で買い物をする層の多くは、お金を出して良いものを買いたいという価値観の、金銭的に余裕がある人たち。「百貨店には良いものが置いてある=良いものは高い」という認識なので、お手頃価格のものは逆に売れにくいんだとか。
なので、同じお人形でも人形専門店に置いてあるものより高い値段がつけられていることもあるそうで…。百貨店のブランド料みたいなものですね。
百貨店で買えばどれを選んでも質が悪いものはないんだろうけど、良いものを適正価格で買いたい場合は人形専門店のほうがオススメ。
(ただ、個人的には百貨店に置いてある雛人形のほうが装飾品やお道具を含め洗練されたオシャレな印象を受けました。専門店は高品質なんだろうけど野暮ったいものが多…もごもご…店主のセンスで仕入れが…もごもごもご……)
作家物のブランド料というものもあります。有名作家・人気作家さんの人形はやはりお高い。
人形の質による値段の違い
上記のいわゆるブランド料で高くなっている場合を除いて、人形の質による値段の違いの主な点を以下のように聞きました。
着物
雛人形の印象を左右する重要なポイントです。値段にも大きく関わります。
正絹(絹100%)>絹混>化学繊維の順に高価になります。
正絹でも織物の種類によって値段が変わってくるそうで、中でも「有職(ゆうそく)織物」は別格なんだとか。…といわれても、素人には織物の種類なんてパッと見て見分けがつかないですよね。わかりやすいところでいうと、お内裏様の背中の布(下襲の裾(しもがさねのきょ)といいます)にまで刺繍が施されているものは高級雛人形の証だそうです。製作予算が限られている場合、どうしてもお雛様のほうに手をかけちゃいますからね。
また、着物の着せ方が「本着せ」か「並着せ」かでも値段の差が出ます。
本着せ:実際に人間に十二単を着付ける様に、長袴(ながばかま)、単衣(ころも)、五衣(いつつぎぬ)、表着(うわぎ)、唐衣(からぎぬ)、裳(も)…と着せ付ける方法。技術が必要になるので値段が上がる。
並着せ:襟・袖・上衣・下衣をそれぞれ別々に作り合わせる方法。一般的な雛人形の8割はこちら。
髪の毛
絹>ナイロンの順に高価。
一般的には絹が使われています。廉価品はナイロン製の場合も。
胴体
藁>発泡スチロールの順に高価。
一般的に胴体は藁で出来ていますが、廉価品の胴体は発泡スチロールで出来ている場合も。ガラスケースに入っている雛人形は軽量化のため胴体が発泡スチロールのものが多いようです。
手足
木>プラスチックの順に高価。
手彫りか、足袋を履いているか、というのもポイントだそう。
そんなこんなで最高級雛人形を買ってしまった
お店の方の話をふむふむと聞いていた夫とたね(とはぴこ)。そうか…正絹で…刺繍が…本着せの…手彫りが……おやこちらの着物の柄が素敵じゃないか、あらこちらのお雛様は表情が素晴らしい…とだんだんその気になり、店内の雛人形の中でも質の良い逸品を選ぶことになったのでした。
しかし25万円は当初の予算オーバー…ということで、屏風やぼんぼり等の装飾品、お道具のグレードを落とし、値段を下げていただきました。(なので最終的には25万円ではないですねエヘヘ)
お店の方としても「お道具は買い替えが出来るけど人形は一生物だから、予算に限りがあるなら人形にお金をかけるのがオススメ」だそうです。
こんなふうに、お店の方と相談しながら人形とお道具をバラバラに購入出来るのも人形専門店のメリット。人形の顔も付け替えることが出来るんですよ。百貨店や量販店ではセット売りが基本ですから、「人形の顔立ちはこっちが好みだけど着物はこっちが好み、屏風はこっちのほうがいいなあ~」なんて出来ないですもんね。人形専門店なら出来ます!
(ただ前述の通り、やや野暮ったい(良く言えば昔ながらの伝統的な)デザインのものが多くて、予算内で吟味して選ばなければならない…。)
とはいえ質が高い雛人形=良い雛人形ではない
雛人形は当然「値段が高ければ良い」ものではないし、さらにいうと「質が高ければ良い」ものでもないと思います。大事なのは、両親やおじいちゃんおばあちゃんなど、周りの人たちがその子のことを想いながら心を込めて選ぶことではないでしょうか。
私は正直、雛人形選びでかなり神経をすり減らしました…物事を決めるのが苦手な人間だから、選択肢が多すぎるとパンクしそうになる…。。。でも、はぴこが大きくなったとき、「この雛人形はおじいちゃんとおばあちゃんが買ってくれたんだよ。パパとママが一生懸命選んだんだよ」って伝えてあげられたらいいな、と思っています。
しかし伝統的な雛人形はデカい
これ…どこにしまおうかな……